「複数の条件をすべて満たしているかを確認したい…」そんなときに役立つのが、AND関数です。
Excelでは、1つの条件だけで判断できない場面も多くありますよね。例えば「売上が10万円以上かつ営業日数が20日以上ならボーナス対象」といった判断をするには、複数の条件を同時にチェックする必要があります。
本記事では、AND関数の使い方を初心者向けにわかりやすく図解付きで解説します。IF関数との組み合わせ方や、よくあるミスとその対処法まで紹介するので、実務でもすぐに活用できますよ!
AND関数(マッスルたけちゃん)







AND関数とは?(初心者向け解説)
AND関数は、複数の条件をすべて満たしているかを確認するための関数です。すべての条件が「TRUE」のときに結果として「TRUE」を返し、1つでも「FALSE」が含まれると「FALSE」になります。
特にIF関数と組み合わせて「条件分岐」に使う場面が多く、実務でも非常によく使われます。
AND関数の特徴
- すべての条件が満たされたときにTRUEを返す
- 条件は2つ以上、複数指定できる
- IF関数と併用することで、実務判断を自動化できる
- 条件には数値・セル参照・比較演算子などが使える
- 条件が1つでも満たされないとFALSEになる
AND関数の構文(入力方法と引数)
AND関数の基本構文は以下の通りです。
【引数の説明】
引数名 | 説明 |
論理式1(必須) | TRUEまたはFALSEを返す条件式(例:A1>50) |
論理式2(任意) | 2つ目以降の条件式(最大255個まで指定可能)) |
※複数の論理式をカンマで区切って指定します。すべての論理式がTRUEのときだけ、AND関数はTRUEを返します。

論理式が1つしかないなら、わざわざAND関数を使う必要はないぞ!
(普通に =A1>50 と書けばOKだ!)
AND関数の使い方(具体例付き)
以下のような表を例に、AND関数の使い方を説明します。
A列:氏名 | B列:売上 | C列:出勤日数 | D列:ボーナス対象? (AND関数) |
山田 | 105000 | 21 | =AND(B2>=100000,C2>=20)→TRUE |
田中 | 95000 | 22 | =AND(B3>=100000,C3>=20)→FALSE |
鈴木 | 120000 | 18 | =AND(B4>=100000,C4>=20)→FALSE |
解説:
- 山田さんは売上も出勤日数も条件を満たしている → TRUE(ボーナス対象)
- 田中さんは売上が足りない → FALSE
- 鈴木さんは出勤日数が足りない → FALSE
AND関数の応用テクニック|仕事で役立つ活用法
応用テクニック①:IF関数とAND関数で「合格判定」を自動化
例えば、以下のように「テストの点数が80点以上、かつ出席率が90%以上」の場合に「合格」と判定したいときに使います。
メリット:
IF文と組み合わせることで、結果にTRUE,FALSE以外を表示できます。
- 複数条件を自動判定できる
- IF関数との組み合わせで表現力がアップ
- 評価業務や人事・成績管理に応用可能
A列:氏名 | B列:点数 | C列:出席率 | 判定式 (IF+AND) |
佐藤 | 85 | 92% | =IF(AND(B2>=80,C2>=0.9),”合格”,”不合格”)→合格 |
鈴木 | 78 | 95% | =IF(AND(B3>=80,C3>=0.9),”合格”,”不合格”)→不合格 |
高橋 | 90 | 88% | =IF(AND(B4>=80,C4>=0.9),”合格”,”不合格”)→不合格 |
応用テクニック②:ネストしたAND関数で複雑な条件を設定
「80点以上かつ90%以上の出席率」だけでなく、「提出物がある」などの追加条件もAND関数でカバーできます。
メリット:
- 実務でありがちな「条件が増える」場面にも対応
- 条件式が多くても見やすく書ける
- 汎用性の高いロジックが組める
氏名 | 点数 | 出席率 | 提出物 | 判定 (ANDのネスト) |
山本 | 88 | 93% | 〇 | =IF(AND(B2>=80,C2>=0.9,D2=”○”),”合格”,”不合格”)→合格 |
木村 | 85 | 91% | × | =IF(AND(B3>=80,C3>=0.9,D3=”○”),”合格”,”不合格”)→不合格 |
AND関数 よくある質問(FAQ)
よくある質問(FAQ)をまとめました。
- Q1: AND関数は何に使いますか?
- A1: 複数の条件をすべて満たしているかを判定したいときに使います。IF関数と組み合わせると「〇〇かつ△△なら□□」のような判定が簡単にできます。
- Q2: OR関数との違いは?
- A2: OR関数は「いずれかの条件が正しければOK」、AND関数は「すべての条件が正しくなければNG」という違いがあります。
- Q3: AND関数は何個まで条件を入れられますか?
- A3: 最大で255個まで条件を設定できますが、実用的には3〜5個程度にまとめるのがベストです。
- Q4: セル参照でエラーが出るのはなぜ?
- A4: セルに数値や論理式以外(空欄や文字列)が入っているとエラーや意図しない結果になることがあります。条件に合う形式に整えてください。
- Q5: IF AND 関数を使ったときに常にFALSEになるのはなぜ?
- A5: 条件の1つでもミスがあるとFALSEになります。比較演算子(>=, =, <>など)や参照範囲に誤りがないか確認しましょう。
AND関数のまとめ
AND関数は、すべての条件が正しい場合にTRUEを返す論理関数で、実務での判定作業に非常に役立ちます。IF関数との組み合わせで、条件分岐を柔軟にコントロールできます。初心者のうちから使いこなせると業務の効率化が一気に進みますよ!
【ポイント整理】
- AND関数はすべての条件がTRUEのときのみTRUEを返す
- IF関数と組み合わせて実務的な判定処理ができる
- ネストや複数条件で高度な処理も可能
- よくあるミスは「条件の記述ミス」や「セル形式の不一致」
- AND関数は業務効率アップに直結する便利な関数!

これでAND関数もバッチリだ!レッツ筋トレ!
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