エクセルで特定の条件を満たすデータのみを対象に平均を求めたい場合に便利なのが「AVERAGEIFS関数」です。本記事では、AVERAGEIFS関数の基本から応用までを詳しく解説し、実際の業務で活用できる方法を紹介します。
AVERAGEIFS関数(マッスルたけちゃん)

エクセルと筋肉は裏切らない!!!マッスルたけちゃんだ!ブランド服より割れた腹筋!よし、今日はAVERAGEIFS関数についてレクチャーするぞ!

えっと、平均を求める関数ですよね?AVERAGE関数とは違うんですか?

おっ、いい質問だ!AVERAGE関数は全ての数値の平均を求めるが、AVERAGEIFS関数は条件を満たすデータだけの平均を求められるんだ!まさに、筋肉の中でも大胸筋だけを鍛えるようなものだ!

いや、筋肉に例えなくていいですよ(笑)でも、条件付きで平均を出せるのは便利ですね!

そうだろう!たとえば、「売上が1万円以上の商品の平均単価を出す」なんてこともできる。しかも複数条件を設定できるのがポイントだ!

へぇ〜、それは仕事でめっちゃ役立ちそうですね!条件の組み合わせで、いろいろな分析ができそう!

そのとおり!実際にAVERAGEIFS関数の使い方を見ていくぞ!エクセルと筋肉、どっちもコツコツ鍛えていこうな!
AVERAGEIFS関数とは?(初心者向け解説)
AVERAGEIFS関数は、複数の条件を満たすセル範囲の平均を計算する関数です。たとえば、売上データの中から特定の商品カテゴリと販売地域を満たす商品の平均売上を求めるといった場合に便利です。条件を指定できるため、より詳細なデータ分析に活用できます。
AVERAGEIFS(アベレージイフス)関数は、指定した複数の条件に一致する、セルの平均を求める関数です。
AVERAGEIF関数は1つの条件を指定(対象を絞る)して平均を計算
AVERAGEIFS関数は複数の条件を指定(対象を絞る)して平均を計算
【指定できる条件】
- 特定の文字列の指定
- 数値や日付の一致・比較
- 部分一致
- ほかにもさまざまな条件の指定が可能
よくある例として部署別や地域別で、男女の成績が知りたい時などに使います。今回は例として、クラス別に男女の平均点を出すことを行います。赤枠内にAVERAGEIFS関数が入っています。
AVERAGEIFS関数の特徴
- 複数の条件を満たす数値の平均を求める
- 指定した範囲内のデータを対象に計算可能
- SUMIFS や COUNTIFS と同様の構造
- 条件範囲と平均範囲のサイズを一致させる必要がある
AVERAGEIFS関数の構文(入力方法と引数)
AVERAGEIFS関数の構文を確認します。
AVERAGEIFS関数は、「条件範囲1・条件1」、「条件範囲2・条件2」の組合せを最大127個まで指定できます。
複数の条件は、AND条件とみなされます。つまり、全ての条件に一致したデータで、かつ平均対象範囲内の対象セルの平均が計算されます。
【引数の説明】
No | 引数名 | 説明 |
1 | 平均対象範囲 | 平均の対象となるセル範囲を指定します。 「条件範囲」と「条件」で絞り込まれた結果について、この「平均対象範囲」内の数値が計算されます。 |
2 | 条件範囲1[2…] | 「条件」の検索対象となるセル範囲を指定します。 |
3 | 条件1[2…] | 「条件範囲」のセルを検索するための条件を、数値・式・セル参照・文字列で指定します。 |
AVERAGEIFS関数の使い方(具体例)
条件の記述方法
AVERAGEIFS関数の第3引数である条件には、さまざまな指定方法があるので、今回はその中でも代表的な指定方法を説明いたします。
第2引数の「条件範囲」からセルを検索するための条件を、数値・式・セル参照・文字列で指定します。
文字列を指定する場合は、「”」(ダブルコーテーション)で囲みます。
セルを指定することもできます。
この例では、Aクラスかつ英語(C列)が80点以上の生徒の平均点(H列)の平均点((77+78.8)/2=77.9)を出すことになります。
>1 | >=1 | =1 |
<1 | <=1 | <>1 |
AVERAGEIFS関数の応用テクニック|仕事で役立つ活用法
応用テクニック①:特定の文字列を条件に含める
例:カテゴリーが「食品」の商品の平均売上を求める
応用テクニック②:エラー対策(#DIV/0! の回避)
条件に合うデータが1つもないと「#DIV/0!」エラーが発生します。IFERROR関数を組み合わせるとエラー回避が可能です。
AVERAGEIFS関数 よくある質問(FAQ)
よくある質問(FAQ)をまとめました。
- Q1. AVERAGEIFS関数で「#DIV/0!」エラーが出るのはなぜ?
- A1. 指定した条件に合うデータが1つもない場合に発生します。IFERROR関数を併用すると回避できます。
- Q2. AVERAGEIFS関数で数値以外の条件を使えますか?
- A2. はい。文字列を条件に指定する場合は ” ” で囲みます(例:”食品”)。
- Q3. AVERAGEIFS関数で条件の組み合わせが多すぎるとどうなりますか?
- A3. 設定可能な条件の数には制限がありますが、通常のデータ分析では十分な数の条件を指定できます。
ワンポイントプロテイン(アドバイス)

AVERAGEIFS関数でも条件を1つにすればAVERAGEIF関数と同じになる。ただし、AVERAGEIF関数とAVERAGEIFS関数では引数の順番が違うので気を付けてくれよな!
【AVERAGEIF関数とAVERAGEIFS関数の注意点】
AVERAGEIFS関数のまとめ
AVERAGEIFS関数は、複数の条件を満たすデータのみを対象に平均を求める強力な関数です。条件として数値や文字列を指定でき、売上や評価などの特定条件に基づく分析に最適です。ただし、条件に合うデータがないと#DIV/0!エラーが発生するため、IFERROR関数を活用しましょう。業務のデータ分析を効率化し、より正確なレポート作成を実現するために、積極的に活用してください。
【ポイント整理】
- 複数の条件を満たすデータの平均を求める関数
- 条件には数値、論理式、文字列を指定可能
- 条件に合うデータがない場合は「#DIV/0!」エラーが発生
- エラー回避にはIFERROR関数を活用
- データ分析やレポート作成に便利な関数
- SUMIFS関数との違いは、合計ではなく平均を求める点

AVERAGEIF関数とAVERAGEIFS関数の2つを覚えてしまえば、AVERAGEマイスターだ!
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